関東地方より南のあたたかい所にすんでいます。沖縄のようにあたたかい所では一年中見られます。ふつうのヒョウモンチョウが年1回のだけの発生にたいし、気候条件により4~5回発生をくりかえします。九州より北では、第一回目2月から5月に羽化します。幼虫やさなぎで冬をこしますが、寒い所での幼虫の多くは死んでしまいます。ほかのヒョウモンチョウは地面や樹皮、こけなどに卵を産みますが、ツマグロヒョウモンは、幼虫が食べるスミレ科の葉に卵をうみます。公園や野原、都市や住宅地など様々な所にすみ、庭やプランターのパンジーにもよく卵を産み、葉がまるぼうずに食べられてしまうこともあります。幼虫は、黒の地色に背に赤のたてじま、体中にとげがあり、かなり毒々しく見えますが、あぶなくはありません。成虫のオスとメスでははねの模様がかなりちがいます。オスは、名前が示すように、ヒョウ柄で黄色に黒の点々があり、後ろはねの下側に黒のふちどりがあります。メスは、前はねに白と黒のしま模様があります。メスのこの模様は、南方にすむ(奄美諸島以南)毒を持つチョウ、カバマダラの擬態といわれています。ツマグロヒョウモンには毒はありません。